日本赤十字社医療センター
〒150-8935
東京都渋谷区広尾4-1-22
電話 03-3400-1311
糖尿病や閉塞性動脈硬化症、静脈うっ滞、その他の疾患が原因(褥瘡を除く)で、「足に出来た傷が治りにくい」、
「治らない」など、3か月以上の慢性創傷を持つ方を対象として、足の傷を専門的に治療しています。
特に、糖尿病性潰瘍や閉塞性動脈硬化症の場合には、放置したり適切な治療を行なわないと、傷から感染し、
足の切断を余儀なくされることもあります。
早期発見、早期治療、その後の再発予防を行なうことで、切断回避につなげる取り組みを行なっています。
治療には、多職種により構成されたチームで行っております。
糖尿病内科医師と皮膚科医師が中心となり、診察・治療を行います。
看護師は、糖尿病看護認定看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師、皮膚科看護師がおり、創傷処置やそのセルフケア指導を行なうだけでなく、
創傷以外の部位の創傷発生予防のため、爪切りなどのフットケア、静脈うっ滞性潰瘍の場合、
バンテージやストッキングの選択・セルフケア指導も実施しています。
また、検査技師は、皮膚潅流血圧(SPP)の測定やエコー検査を実施、義肢装具士が、治療中は創部の免荷のための装具作成や
免荷材料の使用方法の説明、治癒後は、再発予防のための装具作成、定期的な調整などを行なっています。
その他、必要に応じて、院内各科診療科(放射線科、循環器内科、心臓血管外科、腎臓内科)や他の創傷ケアセンターと連携を図っています。
治療は、基本的には1-2週間に1回の通院治療で進めていきます。傷を治すためには、糖尿病や心不全などの疾患管理や栄養管理なども必要であり、
それらを患者様自身が行えるように教育的支援も行っていきます。
また、全身感染症の治療や安静が求められる場合、局所陰圧閉鎖療法が必要な場合には、入院治療となる場合もあります。
初回外来時は、問診後、必要な検査(採血・レントゲン・心電図・脈波・SPP・細菌培養など)を行ない、追加検査の検討・処置を行ないます。
その後の継続外来では、診察室および処置室で創部を洗浄するなどの処置を実施し、免荷材料や装具の再調整などを行ないます。
その際、血流障害が疑われる場合には、放射線科や循環器内科の診察が必要となるため、後日、診察を受け、追加検査を行ない、
治療方針が決定されることもあります。
受診を希望される方は、医療機関からの紹介は医療連携室へ、患者様やその家族からの予約は皮膚科外来へご連絡ください。
また、他病院での治療中・入院中の方で、ご家族のみの来院の場合は、セカンドオピニオンにて対応しております(自費診療)。
セカンドオピニオンは、創傷ケアセンター外来日とは異なる場合がありますので、皮膚科外来へお問い合わせください。
皮膚潰瘍のDifferential
皮膚潰瘍は、一般的に良く見る静脈不全や糖尿病以外にも原因は沢山あります。
最近の米国文献に発表された、下肢の皮膚潰瘍の原因を総括したものがありまし
たので、簡単に日本語訳をさせていただきました。創傷患者で、原因はナンだろ
うと首をかしげた時に、参考にしていただきたいと思います。
Richetta
血管系:
バージャー病
関節硬化症
レーノー病
血栓・静脈炎後症候群
動脈・静脈シャント
リンパ水腫(浮腫)
血管炎
トラウマ:
熱傷・凍傷
放射線
体圧(褥瘡)
感染症:
虫食い
真菌症
リーシュマニア症
サルコイドーシス
梅毒
TB(結核)
神経障害: 糖尿病
腫瘍性:
上皮腫
肉腫
リンパ腫
癌転移
血液系:
血液蛋白異変
凝固能促進
サラセミア
鎌状赤血球
白血病
代謝系:
ゴーシェ病
糖尿病
プロリダーゼ不足
その他:
皮下脂肪組織炎
壊疽性膿皮症
糖尿病性リポイド類壊死症
米国の足専門医がお送りする健康足生活の為のレター
足の病気をよく知ろう!
◆糖尿病の合併症って?
糖尿病は生活習慣病の1つで、よく知られた病気ではあるものの、糖尿病の合併症についてはなかなか知られていない部分があります。糖尿病の合併症は、視力の低下、腎機能障害、そして神経障害があります。神経障害により手足の感覚が鈍くなり、足に釘が刺さっていても気づかない人もいるほどです。
◆下肢切断の死亡率は肺がんと同じ!
糖尿病による下肢切断後の予後は70%と言われており、肺がんの死亡率に匹敵すると米国の研究では指摘されています。
そのため、足を切断せずに治すことがとても重要だと考えられています。
◆早期発見・治療が何より大事
足を切らずに治すためには、小さな傷の段階で治療を始め、傷を拡大させないことが大切と言われています。米国の研究によると、治療をスタートさせて12週間で傷が完治するかどうかは、4週間目の傷の縮小率が53%以上であることが指標になるとも言われています。
【Check】糖尿病患者さんの足のセルフケア
●爪切りは家族にお願いしよう
傷ができていないか、靴ずれを起こしている箇所はないか、家族に足を触ってもらい、感覚があるか確認しましょう。
●ほっかいろ等での低温やけどに注意しよう
低温やけどから治らず傷になる人も。
●入浴後、毎日足をチェックしよう
早期発見が大切です。
●靴は足長・足幅に合わせて、フィッティング!
靴は足を保護し、足の機能を引き出す役割があります。
指先から7mm程の余裕を。
●こまめに水分補給!
喉が渇きやすかったり、足裏が乾燥しやすくなります。
水分補給をこまめにし、乾燥ケアを行いましょう。
●たこ、巻き爪などの足トラブルは専門医を受診しよう
足の病気は糖尿病を発症する前から治療をし、予防に努めることがとても大切です。
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